柔らかくて、軽くて、あったかい、三拍子揃ったカシミアストール。チクチクする感じもないし、コートの上からさらりと巻けば、ふっくらぬくぬく。
なかでも豊富な色柄とカシミア素材のトリコになる、ジョンストンズを徹底紹介!
ジョンストンズは、世界的なトップメゾンに高品質な生地を提供してきた由緒あるメーカーですが、なかでも有名なのが自社で作るカシミアストール。あとでくわしく紹介するチェックの大判ストールが代表的ですが、無地も使い勝手が良くておすすめです。
■各6万2000円
いまから200年以上も前に、スコットランドのエルガンの地でジョンストンズは誕生しました。ウールを中心とした生地を作っていましたが、とくにカシミア製品の評判がよく、そのなめらかなさわり心地、あたたかみのある感触に世界中の人々が魅了されています。
じつは、その風合いを出すために意外なものが使われていました。それは金属製のブラシでも、最新鋭の機械でもありません。小さなとうもろこしのような形に、上を向いて突き出た無数のとげ。そう、アザミの実です。アザミの実を起毛機にしきつめ、その上をまだのっぺりとしたカシミア生地がとおることで、生地をとげがやさしくひっかき、ながれるような起毛感としなやかな風合いが生まれるというわけです。
これだけ技術革新がすすんだ世の中でも、それに代わるものは見つけられていません。これから先も、カシミアとアザミの実の相思相愛な関係はつづいていくことでしょう。
紫色の花を咲かせるキク科に属する植物で、葉に切れ込みが多く、総苞に鋭いトゲがあるのが特徴です。スコットランドでは、そのトゲによってヴァイキングの兵士から国土を守ったとされ、国花にもなっています。
乾燥した天然のアザミの実を、2本の鉄の棒の間に、手作業でひとつずつバランスよく敷きつめていきます。この上をカシミアが通過することで繊維が掻かれ、ふわふわな毛羽立ちが生まれます。こうした起毛の技術は、ブランドが創業した当時からまったく変わらないものなんです。
上のブランドタグは2015年から使われているものですが、左に位置するロゴにはジョンストンズの頭文字“J”の下に隠れるようにして、スコットランド国花であるアザミがデザインされています。
その左上には、スコットランドで幸運をもたらすと信じられている蜂があしらわれていることにも注目してみてください。
エルガンとホーイックにある役割の異なる2つの工場で生産
ジョンストンズは、原毛を選ぶところから製品になるまですべての過程を自社工場で一貫生産しています。本社のあるエルガン工場ではストールやラグを、ホーイック工場では主にニットを作っています。高い品質のモノ作りを長きにわたって継続できる理由は、その生産体制にあるのですね。
ジョンストンズ製品の愛好家でもあったチャールズ皇太子がエルガン工場を訪れた際、英国王室御用達の証であるロイヤルワラントを受けました。ちなみに、ロイヤルワラントはエリザベス女王から授与されるものと、その夫のエジンバラ公からのものもあります。
収穫された状態の原毛を購入し、繊細な下毛だけを選んで使っています。次に、トップダイドと呼ばれる原毛を染める作業を行います。スコットランド名物のモルトウイスキー作りにも使われる軟水で染めています。昔は、果汁や樹皮、昆虫(!)といった自然物質を染色に使用していましたが出来にムラがあるため、現在は原毛の特性に合わせた化学染料を用いています。
そして、染められて繊維がフェルト状にもつれ合った原毛は、ローラーに釘が打ちつけられた機械で梳いて糸にしていきます。染めた糸は、色を落ち着かせるために1年以上寝かせることもあるんだとか。そのあとの織りからニッティング、仕上げまで多くの工程を経て、ようやく製品が完成します。
原毛の状態からしっかり染めているため、色褪せもなく、深みのある色合いを楽しめます。こちらは、奥深さが感じられるネイビーと、カシミア本来のナチュラルな色を楽しめる、リバーシブルで使える1枚です。
■8万5000円
他のチェック柄と何がちがうのかというと、タータンチェックはスコットランド・タータン登記所で認められた名前がついていて、名前の由来もあるんです。スコットランドの伝統的な織物として保存・保護に力を入れているんですね。
今回紹介する左のストールの柄も、すべてスコットランド・タータン協会に認定されている、由緒正しいものなのです。そして、タータンの柄は目的や用途によっていくつかの種類に分けられます。同じ氏族を特定するクランタータン、軍隊用のミリタリータータン、王族が用いてきたロイヤルタータンなどがあり、ジョンストンズでもよく使われています。
ブラックウォッチ
グリーンとプラック、ネイビーをベースにした軍隊用のタータンです。黒っぽい色の制服で歩兵隊が警護を行っていたため、彼らはブラックウォッチと呼ばれ、そのままタータンの名前になったといわれています。
■6万2000円
ウォレス
レッドとブラックの配色に、イエローのラインが入った、ジョンストンズでも人気の定番柄。スコットランドのウオレス一族がモットーに掲げていた「自由のために」との意味をもつ、カ強さのあるタータンです。
■6万2000円
ドレスゴードン
グリーンとネイビーが基調のタータンチェック。イエローのラインがアクセントに。スコットランドのゴードン家が使用している格式高い「ゴードンタータン」のなかでも、ディナーの正装用として使われています。
■6万2000円
マクラウドオブルイス
ヴィヴィッドなイエローとブラックのコントラストが鮮やか。マクラウド家の紋章でもある太陽からデザインされたタータンだけあって、躍動感のあるイメージです。暗くなりがちな冬コーデに映えそうです。
■6万2000円
ロイヤルスチュワート
世界でもっとも有名だと言っても過言ではない柄で、上品な赤地に緑と青の中太ライン、白と黄色の細いラインで構成されています。こちらのタータンは、氏族のものではなく、王室が用いてきた特別なものです。
■6万2000円
世界で最も有名なタータン、ロイヤルスチュワートは、実はエリザベス女王が愛用する柄でした!
もとはスコットランドのスチュワート一族のタータンでした。戦乱でタータンの着用が禁じられた時期もありましたが、1822年に英国国王が着用して復活。今では英国女王陛下のタータンとなり、衛兵は全員このタータンを身に着けています。
カシミアゴート
カシミアゴートというヤギから採れる素材で、軽くて柔らかい質感は特筆もの。毎年春に手作業で純で梳いて収穫していて、1頭から採れる下毛は、わずか約125g!
その中からさらに上質な長くて細い繊維だけを選り分けているので、高価なワケも頷けます。
羊
世界で最も古い羊毛種といわれるメリノ種を使っています。維が細くて柔らかく、肌触りがよいのが特徴です。羊を飼育するのに最適な環境のニュージーランド、オーストラリアのメリノウールを用いています。
ラクダ
中国やモンゴルのフタコブラクダがキャメルヘアーの原毛になります。寒暖差が激しい地域に生息しているので、保温力は抜群。その繊維はカシミアと似ていて、茶色の濃淡が美しい独特の色合いを生み出します。
ビキューナ
南米アンデス山脈に生息するラクダ科の動物です。希少性の高いその毛は、カシミアより軽くてなめらかと言われ、繊維の宝石”と称されるほど。ジョンストンズでも滅多にお目にかかれない、幻の素材なのです。
A1.無地ならライトグレー、チェックは黒ベースの王道配色がやっぱり人気!
■右・チェックストール 5万9000円 / 左・ストール 5万9000円
A2.セレクトショップの別注チェックが狙い!
■上・チェックストール(haunt別注) 5万9000円 / 中ふたつ・ストール(ユナイテッドアローズ別注)各5万9000円 / 下・5万9000円(ビームス別注)
A3.人気のチェック柄の新配色に注目!
■チェックストール 各5万9000円
A4.大人っぽい配色のブロックチェックは使いやすくてファン多数!
■ブロックチェックストール 5万9000円
A5.ロンハーマンは、珍しい配色のタータンチェック
〈コーデ〉可愛さを添える明るい色みなら、カジュアルなコーディネートが女らしくシフト。
■チェックストール 5万9000円
トゥモローランドは、グレーの次に人気の華やかマスタード
〈コーデ〉シンプルなワードローブにプラスすれば、ぐっと秋らしいスタイリングに。旬のマスタードカラーを効かせて、派手すぎない絶妙な華やかさをアレンジします。
■ストール 5万9000円
トラッドな定番の赤チェックは女のコらしいカジュアルと相性抜群。
ストールを対角線にとって折り、片方の端が長くなるようにして、ぐるっと首にひと巻きする。
端と端を持って、短い方のサイドで長い方を1回結ぶ。ボリュームをバランスよく整えれば完成。
日本別注の配色ストライプで鮮度の高いオシャレっぽさを取り入れて。
くしゅっと無造作に、アコーディオン状にたたみ持ってひと巻きする。きっちりたたまず、柄を見せるのがコツ。
注目のブロックチェックは、こなれたミラノ巻きで洗練された印象に。
難易度が高く見えるこなれたミラノ巻きも、覚えれば簡単! ストールを対角線にとり、ゆるくひと巻きする。
首に巻いたストールの内側の輪から、右にたらしたストールを持ち上げ、その輪の中に左のストールを通す。
レディースMe 編集部
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