どこも「一生モノ」になる高級ブランドが勢揃い。
芸能人の引き出物にも選ばれた日本の「マイセン」や「ナルミ」、世界中で愛される「コペンハーゲン」や「ウェッジウッド」などなど、一流と呼ばれる『憧れの高級食器ブランド78選』をまとめています。
■日本・海外の高級食器ブランド一覧
1.日本
2.イギリス
3.フランス
4.ドイツ
5.イタリア
9.チェコ
10.ハンガリー
11.オーストリア
12.オランダ
13.アイルランド
14.アメリカ
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アダム&イヴは、ギフトや普段使いに向くモダンな陶磁器で知られる日本の人気ブランド。1968年に京都で創業して以来「いつも今にふさわしいものを」という信念のもと、現代的な生活様式に調和する器を作り続けており、伝統にこだわらない自由なイメージや、日本ならではの実用性が重視されている点が魅力です。
シンプルなデザインも多く、器づかいの初心者にも向くブランドといえます。また陶磁器のほかにグラスやカトラリーも揃え、トータルなコーディネートを提案しています。
大倉陶園は大正8年(1919年)に創立された、日本を代表する名窯のひとつです。古くから陶器の分野で傑出した技術を築いてきたブランドであり、その珠玉のような作品は、宮内庁御用達品をはじめ、迎賓館用の食器や各国元首への贈答品などにも使われるといった信頼を誇っています。
創立者、大倉孫兵衛の遺訓でもあった「良きが上にも良きものを創る」というポリシーから生まれる、白くなめらかな肌を持つ高品質な磁器は、常に他の追随を許さないものであり、日本のほかに世界中で多くの愛陶家たちを魅了し続けています。
香蘭社の歴史は、今からおよそ300年前の江戸時代、有田で初代「深川栄左エ門」が磁器の製造を開始した時に始まります。明治維新の激動期、佐賀鍋島藩からの援助を失った有田焼の再興に、8代「深川栄左エ門」が指導的な役割を果たします。多くの陶工や絵付師、陶商たちを一つにまとめ、1876年、香蘭社を設立。その後、世界各地で行われた万国博覧会で数々の名誉賞を受賞。海外で高まる評価と共に、1897年には宮内庁御用達となりました。
香蘭社のシリーズは、有田焼独自の白く硬い、透明感のある生地に優雅な絵付けをほどこしたもの、セーブルを思わせる金銀彩など、実に多彩。有田色絵磁器の多用な文様を集大成し一歩前進させた製品は、「香蘭社スタイル」と呼ばれ、広く親しまれています。
1932年、東京都江東区で創立。長年問屋からの受注生産を主としたもの作りを続けていましたが、1973年のオイルショックで大きく方向転換。自ら発想し創り出す道を選択します。「ガラスという難しく、しかし無限の可能性を秘めた素材を一番楽しく、美しくできるのは職人である」というコンセプトに基づき、デザイナーは置かずに職人による開発を続けるスガハラ。
現在3000種類以上ある商品群は、国内外で高い評価を受け、1985年に発表された黒のグラスシリーズは、グッドデザインに選定。ニューヨーク近代美術館でも取り上げられました。
ナルミのブランド名は、江戸時代には鳴海焼という陶磁器の産地だった現在の名古屋市内の「鳴海町」からつけられました。近代的な陶磁器の製作は1938年に新工場が設立されたときから始まりました。以来独自の研究を重ね、革新的な技術によって気品高い「ナルミボーンチャイナ」を完成。そして海外への進出に力を注ぎ、国内で先陣をきってボーンチャイナ製品の輸出を成功させた歴史を持ちます。
常に時代の需要に応じたデザイン、また日本の生活様式にかなうデザインを生み出しているブランドであり、現在では絵柄のバリエーションはかなり広がっています。
1905年、石川県・金沢市で日本初の硬質陶器の製造が試みられて3年後、旧藩主前田家と土地の有力者によって前身となる「日本硬質陶器株式会社」が設立。1917年には韓国へ進出し、世界的な生産規模を誇るまでに成長。第二次世界大戦後、近代的な設備を持つ硬質陶器のトップブランドとなり、最高級のボーンチャイナや実用性の高い新素材の食器を次々と開発していきました。
また一方では、タイルやFRP製バスタブ、水処理プラントなどの広い分野でも発展。1983年に、今のニッコー株式会社に社名を変更、伝統の陶磁器も「ニッコー」の名前で親しまれるようになりました。最高級と言われるニッコーのボーンチャイナは、ウィリアム・モリスの描いたテキスタイルをはじめとする芸術性の高いモチーフと、色彩の美しさで世界的に知られています。
陶磁器の一流ブランドとして、現在は海外でもよくその名を知られているノリタケは、名古屋市内の則武新町で1904年に創業されました。その契機となったのは、同社の前身である日本陶器の創業者たちが視察した、1889年のパリ万博でした。そこで初めて欧米の白色硬質磁器に出合い、感銘を受けた彼らは、帰国後まもなく対外国向けの洋食器を生み出すことを夢見て、このブランドを設立したのでした。
当時、日本から輸出されていた陶磁器のほとんどは観賞用のものでした。ノリタケは日本の陶磁器を外国と競える品質に高め、積極的に海外に広めることを目標に、たまゆぬ努力を積み重ねます。1914年にはついに純白で艶やかな陶磁器のディナーセットを完成。その後も最高級の品質を目指して研究を重ね、1932年には国内初のボーンチャイナを製造するなど、今日まで常に日本洋食器界のパイオニアとして発展してきました。
今では創業時に目指したとおり、海外の一流ブランドとも肩を並べる存在となっています。
かつて宮川香山によって興され、1873年のウィーン万国博覧会で名誉金碑を受賞したほか、多くの大賞を総なめにした「横浜焼き」。戦火のなかで消滅したこの名陶を、現代にあった形で復興したいという思いで1969年に設立されたのが、この横濱増田窯です。
古くから日本の職人達が願ったとおり、”西洋の一番進んだ技術”と”いいものを作る”という職人魂がこのブランドのコンセプト。ひとつの様式にはこだわらず、和も洋もすべての技術と文化様式を融合して発展した横浜のスタイルを踏襲。1991年にはチェイスに製作したテーブルウェアテーブルトップ賞で金主緒グランプリを受賞。現在、世界の一流店で取り扱われ、また世界の有名ブランドの製作も担当しています。
時計塔のある建物が銀座のシンボルとして親しまれている和光は、1947年に服部時計店(現・セイコー株式会社)の小売部門の業務を引き継ぎ創立。厳選された品物が揃えられ、お祝いや記念の上質なギフトとしての信頼を誇ります。
和光のオリジナル商品でも、とくにシルバーウェアは好評です。長く愛用することを前提にしたシンプルで機能性のあるデザインと、使い込むほどに味わいの出る銀素材を追求したカトラリーにはファンも多く、その品質にも定評があります。その他、写真立てやコンポート、小物等も充実しています。
1759年創立のウェッジウッドは、イギリス陶磁器史に大きな功績を残し「英国陶工の父」と称えられるジョサイア・ウェッジウッドが29歳のときにスタートさせたブランドです。クラフトマンシップとアートの融合で全精力を傾けた彼は、精緻なレリーフを施した陶器の「ジャスパーウェア」や、象牙色の硬質陶器である「クリームウェア」、またエジプトの黒陶からヒントを得た「ブラックバサルト」など、それまでになかった数々の名品を誕生させることに。
なかでも「クリームウェア」は大きな評判を呼び、後にジョージ3世妃のシャーロット王妃から「クィーンズウェア」と命名することを許されたほどです。ジョサイアの功績はウェッジウッドの名声を不滅のものとするとともに、英国陶磁器界全体の輝かしい成果として世界中から称賛されました。
やがて息子の時代には独自の白さと光沢、そして堅牢性をも兼ねそなえた「ファインボーンチャイナ」が誕生し、以後ブランドを代表する素地となります。現在も創業者ジョサイアが掲げる「おしゃれで質の高いテーブルウェアをより多くの人に」という精神は確実に受け継がれています。
イングランド中部のスタンフォードシャーは良質の石灰と陶土に恵まれたイギリス窯業の中心地です。この地で炭鉱を経営していたジョン・エインズレイが、趣味で始めた陶磁器作りが高じて1775年に創設したのがこのブランドです。
「最高のもののための最高の人」をモットーとした彼は、特に優れたクラフトマンシップの育成に情熱を注いだといわれています。その後、きめ細やかな肌を持つファインボーンチャイナの制作を開始。以来、伝統を受け継いだ美しい製品は、時代を超えて多くの皇族や貴族達の称賛を得ています。
カンブリア・クリスタル社は、1975年イングランドの北西部に位置するカンブリア州アルバストンで誕生。17世紀大英帝国時代のアンティークグラスを再現するというコンセプトのもと、品質、カット技術、デザインにおいて、グレードの高いグラスを作り続けています。
いかにもイギリスらしい正統感にあふれ、ずっと使い続けることのできるブランドとして幅広く愛されています。
ロンドンで人気の総合インテリアショップ「ザ・コンランショップ」が2年の歳月をかけて完成させたオリジナルの商品ブランドです。製品のクオリティや製造方法、デザインや機能などはもちろん、麻や綿のベッドリネンや、カシミアのショール、陶器のテーブルウェアなど、使用する自然素材にはとくにこだわっています。
陶器やガラス製品については、アーティーストや職人は元より、大規模な工場にまで足を踏み入れて作った自信の品揃え。デザイン性と機能性、リーズナブルな価格を実現しているのは、お客さまと身近に接しているショップならではのものです。
14世紀以来の金属食器の生産地であるイギリスのシェフィールド市。ここに位置するジー&ホームズ社は第一次大戦後、レオナード・ホームズとジェームス・ジーによって設立されたシルバーウェアのブランドです。
創業以来、シェフィールドの伝統を受け継ぐ品質の高いカトラリーを生み続けており、第二次大戦後には海軍司令部より、エリザベス女王のヨット用の食器を公式に発注されるという栄誉を得ました。正統派の薫り漂うデザインを備えた、きわめてイギリスらしいブランドです。
スポードは18世紀のイギリスの窯業の一大中心地、スタフォードシャー州ストーク オン トレントで1770年に誕生。創業者ジョサイア・スポートは、下絵付けの画期的技法である銅版転写を開発し、また新しい素地、ボーンチャイナの研究にも情熱を注ぎました。
陶土に骨の粉を加えて焼くボーンチャイナは、長年の試行錯誤の末ジョサイアの遺志を受け継いだ息子によってついに完成されます。この偉業はイギリス陶磁器産業の飛躍的な発展につながるほどでした。スポードは時の皇太子より王室御用達の栄誉を得、以後イギリス屈指の名窯として今日に至ります。
ブライアーグラスは、透明度の高いレッドクリスタルにハンドメイドによる緻密なカットを施し、格のある美しさを1世紀以上にわたって伝えています。長年培われた歴史が感じられるトラディショナルなフォルムが魅力。さらにロイヤルウェディングや全英オープンの優勝トロフィーなどに用いられているとうエピソードが、イギリスを代表するクリスタルブランドであることを語っています。
イギリスの銀食器ブランド、マッピン&ウェッブは、ビクトリア王朝以来歴代の王室御用達を担ってきた由緒正しい名門です。華やかな装飾を施したロココ様式、シンプルなシルエットのジョージアン様式など気品のあるデザインは、今も私たちに優雅な楽しみを与えてくれます。
またカトラリーでも同様に格調高いデザインが主流。そのほかフォトスタンドやベビースプーンといった、イギリス人のシルバーに対する思い入れの深さをうかがわせるようなギフト製品にも定評があります。
すべての製品にはスターリングシルバー化、銅あるいは洋銀に99.99%の銀を重厚にメッキした「マッピンプレート」と呼ばれる高品質の銀仕上げが使用されています。このマッピンプレートは長年の使用に耐える堅牢性を誇るため、幅広い人々に愛用されています。
イギリスのビクトリア女王にこよなく愛された陶磁器ブランド、ミントンは1793年に「トーマス・ミントン」によって創業されました。1798年からは当時イギリスの陶工たちが競って開発に励んでいたボーンチャイナの製造を始め、順調に発展を遂げます。
そのミントンが最も抜きんでていたのは、革新的な装飾技法の開発においてでした。なかでも金を何度も重ねて盛り付けて凹凸を出す「レイズド・ペイスト・ゴールド技法」や、細い筆を重ね塗りしてレリーフ状の像を描く「パテ・シュール・パテ技法」は特に有名で、今日でもミントンの看板技として、特別な職人たちに受け継がれています。
こうした絢爛豪華な装飾は、19世紀のイギリス上流階級を魅了。1840年にはビクトリア女王が「世界で最も美しいボーンチャイナ」と絶賛したほど。以後、その評判は世界に広まり、現在では数々の王室、そして全世界の英国大使館などで愛用されています。
ファインボーンチャイナの老舗であり「最も英国的なテーブルウェア」といわれるロイヤルアルバートは、1896年、窯業の中心地ストーク オン トレントにトーマス・ワイルドとその息子によって創立されました。
ブランド名はビクトリア女王の夫君であるアルバート公にちなんだもの。1897年にはビクトリア女王の即位60周年の記念品を手がけ、名声を高めました。優雅なシェイプとクラシカルな花の絵柄、贅沢な金づかいなどが特徴です。
ロイヤルウースターはロンドンの西北、ウースターの街に1751年に創業された、イギリスに現存する最古の陶磁器ブランド。初期にはステアタイト(凍石)とく成分を素地に混入させた独特の器づくりで確固たる地位を築き、1789年には国王ジョージ3世よりイギリス初のロイヤルワラント(英国王室御用達)を授けられました。
ボーンチャイナが発明されるとその生産を導入し、以後も「ロイヤル」を冠した名に恥じない技術と品質を守り続け、現在まで歴代すべての君主から、御用達の栄誉を得ています。
1748年頃にイギリスのダービシャーで創立。1775年に国王ジョージ3世により”クラウン”の名を授けられバックスタンプに王冠のデザインを使うことを許されました。さらに1890年にはビクトリア女王から”ロイヤル”の名と、英国王室御用達の指定を受けるという栄誉に輝きました。
18世紀後半、華やかな名声はヨーロッパに響き、日本の伊万里の様式を取り入れた豪華な色彩と、エッグシェルと呼ばれる極薄の生地の完成により、その地位を確立。まさに”英国陶器の至宝”と呼ばれるにふさわしいブランドになったのです。
イギリスの陶磁器ブランド、ロイヤルドルトンの歴史は1815年、ジョン・ドルトンが始めたストーンウェアの工場からスタートしました。ジョンの次男であるヘンリーが最先端の技術を窯業に応用し、工場の生産性は著しく向上。事業は軌道に乗り、1877年に陶磁器産業の中心地、ストークオントレントへと会社を移し、以後、実用陶器で培った技術と資本を投じて、芸術性に優れた陶磁器を作り始めます。
1884年頃にはボーンチャイナの生産も開始され、現在はこれが製品の中心となっています。こうして企業を発展させたヘンリー・ドルトンは、1887年にビクトリア女王より、陶工として初めて「ナイト」の称号を受けることに。彼が情熱を傾け続けたドルトン社は、その没後も順調に発展を遂げ、1901年には王室御用達を賜り、社名に「ロイヤル」を冠する栄誉を得て今日に至ります。
1953年創立のオリジナルテキスタイルを使ったライフスタイルを提案するイギリスを代表するブランドです。ロンドンに住むごく平凡な主婦であったローラが、夫と2人で手製のハンドシルクスクリーンを使って作った1枚のプリント。このブランドの歴史はここからはじまりました。優しく独特な色使いの花模様の雰囲気を受け継いだ数々のデザインが、厳密なチェックのもとファブリックとして製造され、洋服、カーテン、ソファーなどのアイテムに広く使われています。
テーブルウェアもファブリックと同様に色や品質は厳格に吟味され、ローラアシュレイらしさを失いません。ローラが愛した英国のあたたかい家庭を思わせる、カトラリー調のシンプルで優しいデザインが世界中の女性たちに好評です。
リモージュの名門アビランドは1842年に貿易商「ダビッド・アビランド」によって創設されました。当時のリモージュはマイセンと並ぶ高品質な陶磁器の産地ながら、王立のセーブル窯の前になかなか脚光を浴びることができませんでした。
アビランドは開業まもなくアメリカ市場を席巻し、次々と時代を先取りしたスタイルを発表してリモージュを世界的な陶磁器の都とするのに大きく貢献しました。その優雅なデザインは今も広く愛されています。
フランスのシルバーウェアの老舗エルキューイは1867年、オイゼ地方の町エルキューイで、芸術的な銀仕上げや金仕上げ製品の会社として誕生しました。まもなく硬質銀、つまりスターリングシルバーと銀仕上げのカトラリーが主な製品となり、19世紀末から20世紀にかけてはホテル業界への供給社としての地位を確立するなど、フランス中産階級に好まれるブランドとして成長してきました。
現在も伝統的な銀細工の技術を重んじながら、時代に合うシンプルな製品を生み出しています。
粋な遊び心とテイタス感で圧倒的な支持を得ているエルメスは、テーブルウエアの分野でも独創的な世界を創造しています。特にエルメスならではのデザインが生きる陶磁器は人気が高く、新柄が発表されるたび話題を呼んでいます。またカトラリーやグラスも発表しており、エスプリあふれる個性的なデザインが好評を得ています。
全体のテーマは「食卓の歓び」。テーブル・コーディネートのアイディアをかき立てる魅力あるコレクションです。
18世紀の初頭、フランス国王ルイ15世の寵愛(ちょうあい)を受けていたマルキーズ・ド・ポンパドール婦人によって設立されたセーブル。芸術を愛した婦人は、国王の宮廷に豪華で美しいガラスを献上するためにパリのガラス工房を買い上げ、セーブル城の離れに設置。
19世紀半ばには、優れた機能性と美しさで宮廷のテーブルを飾るまでになりましたが、その作品は宮廷社会だけのものでした。時を経て、一般愛好家の目に触れ人気を博した工房は、産業革命に伴い、クリスタル・ド・セーブルとしてローレヌ地方へ移行。現在も当時と変わらぬ手作業の伝統と技術を守っています。
シャープなカッティングとビビッドなカラーで、手にした人を魅了するクリスタルの人気ブランド。フランスはモーゼルのビッチェは豊かな森林に恵まれ、ガラス工房が発展するにふさわしい土地であったといえます。16世紀から受け継がれてきた伝統を集結し、設立されたこのブランドの最大の魅力は、カットの巧みさと色の美しさにあります。
熟練の職人によって一つ一つハンドメイドで作り出されるクリスタルは、気品と格を備えた作品となっています。
優れた宝石職人としてその義弟によって1830年に創立されて以来、食卓用高級シルバーウェアと宝飾品の専門店として発展してきたクリストフル。かつてはナポレオン3世に愛され、豪華客船ノルマンディ号の食卓を飾るなど、贅を尽くした作品を残し、また今日ではミシュランガイドで最も評価されているフランス切手の一流ブランドです。
とりわけカトラリーのデザインと品質の高さには定評があり、その顧客にはエリゼ宮ほかの公的機関、リッツ、クリヨンなどの高級ホテル、そしてマキシムやトゥール・ダルジャンといった一流レストランが名前を連ねています。
ガラスと深い関わりをもつフランスのロレーヌ地方に、サン・ルイの直径祖先であるミュンツタールの工場が1586年にはすでにあったとされています。17世紀に入って戦争による打撃を受けながらも、1767年フランス国王ルイ15世により”王位サン・・ルイガラス工場”の名称を所人されました。
その後フランスにおいて最初の鉛入りのクリスタル製品を生んだとして、その名を歴史に残しています。
フランスの陶器ブランド、ジアンは1821年にパリから南へ152キロ離れたロワール川ほとりにたたずむジアン町で美術陶器の窯元として誕生しました。
製品の最大の特徴は「ジアン・ブルー」と呼ばれる独特の藍色に代表される、色彩の美しさにあります。この藍色は19世紀半ば頃に開発され、以来ブランドの顔として定着しました。またロワールの森や渓谷に囲まれ、四季の花々に彩られる豊かな風土と、この地特有の土は、ジアンの陶器に自然溢れる作風と、ぬくもりのある感触を与えています。
そんな芸術的伝統と品質の確かさにより、現在のジアンはエルメスやルイヴィトン、シャネルといった老舗だけで構成され、フランスで最も資格審査が厳しいといわれる団体「コミッテ・コルベール」にも名を連ねています。
200年以上も前のフランス・アネイロンの町。ピエール・ジャーは、この町で採れる白粘土、石灰などの原料に目を付け工場を購入。ここでシチュー皿やココットなどの実用商品が誕生しました。内側が白く外側が茶色いこの優れた陶器は、1990年の万国博覧会でグランプリに輝きました。その後、第2次世界大戦により窮乏、湯たんぽのような生活必需品を作り、製品の種類も時代によって変化していきます。
現在のジャス社は、企業努力の末に開発した炻器(ストーンウェア)で、世界的に有名です。炻器の特徴はいつまでも新しく見えて、縁が欠けにくいこと。オーブン、電子レンジ、食器洗い機にも対応、においや水分を浸透させないことなど。自然材料のみで作られているのも、今日のニーズに合う製品といえます。
1920年に著名な刃物製造者である「ピエール・デュポ」により創立されたカトラリーブランド。もともとここで作られる刃物は、一般を対象としたものではなく、プロのための製品でした。後にジョン・デポの努力によって、その技術を生かした一般向けの刃物やキッチン用品、テーブルウェアなどを手がけるようになったのです。毎年発表されるコレクションは、時代とニーズを的確にとらえたテーマを設定、内容も興味深く、製品の幅も広がっています。
ジャン・デュポ工場では、最新技術に対応する機械設備を導入。優れた品を他社に負けない価格で提供するというコストパフォーマンスを実現しています。現在、その製品はパリの高級百貨店などで扱われ、一流の女性雑誌でも常に注目されています。
ジャンルイコケーは、リモージュ郊外の美しい街に1824年に創設されたポーセリンの老舗です。フランス内外の幅広い層に支持されているブランドであり、製品のひとつひとつに、豊かな自然環境と長い歴史によって育まれてきた独自のクラフトマンシップがあふれています。
デザインは全般に装飾的というより、ポーセリンそのものの質感を生かしたシンプルなものが豊富。モダンなシェイプやポップなパターンなど、カジュアルな演出におすすめしたテーブルウェアが揃います。
1756年、時の国王ルイ15世の妻であるポンパドール夫人は、王室御用達の窯をヴァンセンヌからセーブルに移すことを提案します。これが現在も国窯として残る、フランス国立セーブル製陶所の始まりです。
前身のヴァンセンヌ窯では東洋の模範が顕著だったのに対し、セーブルは独特の色や鮮麗な装飾によるフランス独自の意匠を確立し、優美な芸術世界を創造してきました。今日もフランスの文化を伝える優れた陶磁器を、年間約6000ピースという少量生産で創り続けています。
近年、フランス以外の唯一の国として日本に一般購入への門戸が開かれ、希少性の高い陶磁器と出会うチャンスが広がりました。
リモージュの有名ブランド、レイノーの食器にふさわしいグラスを…というコンセプトのもとに生まれたオリジナルブランド。6つの花柄はレイノーのモチーフの中からセレクトしているので、さりげなくコーディネートできるところがポイント。イタリアにオーダーしているというベネチアングラスは、とても薄くて軽量。繊細な口あたりがワインの味を引き出してくれると定評があります。
ごくシンプルなフォルムの中にやさしさを漂わせるグラスはまさに女性好み。テーブルに華やぎをそえる、優雅なグラスウェアブランドです。
ドームは1878年にジャン・ドームにより、ナンシーガラス工場として設立。120年の歴史を通した傑出した高い技術で、最高級のガラス職人を育ててきました。1900年のパリの万国博覧会ではグランプリを受賞し、その名は世界的なものになります。
ドームのガラス芸術は、パート・ド・ヴェールという技法によって、その深みを増していきます。この技法はガラスの起源と同じほど古く、独特の高雅な雰囲気が特徴です。製造に関する史料はほぼ皆無でしたが、19世紀になりドームが再現。ガラス芸術の可能性を広げ、高めています。近年には、ダリや蒔絵(まきえ)の人間国宝、大場松魚などがその世界に花を添えました。
「光の芸術」といわれるバカラは、ロレーヌ地方にある小さな村、バカラに始まりました。ガラス作りに適した環境のこの土地は、1764年ルイ15世の認可を受け、偉大なる歴史への第一歩を踏み出したのです。技術の進歩と共にその名は急速に広まり、1823年のパリ国民博覧会では金賞を受賞。その後、ルイ18世をはじめ多くの王侯貴族に愛され「ザ・クリスタル・オフ・キングス」と呼ばれるようになったのです。
厳選された原料と熟練職人らによる高度な技術、そして厳しい品質管理にもとづくクオリティの高さを追求しつつ、あくまでも輝きをもつ透明感のあるクリスタル作りに挑み続ける情熱は、いつの時代も変わることがありません。現在はグラスのみならず、香水瓶、フラワーベース(花瓶)、シャンデリアにいたるまでバカラの魂を感じることができます。
大統領宮廷であるパリのエリゼ宮や世界各国の王室などでも使用され、シルバーウェアの至宝とも言われているのがフランスのピュイフォルカ。1820年にパリで金銀細工業として創業した老舗であり、17~19世紀の各時代の装飾様式を忠実に再現した、芸術豊かな銀器で知られています。
また近年はエルメスグループの一員となり、エルメスの陶磁器、サン・ルイのクリスタル製品とともに新たなテーブルウェアの世界を創造し始めており、カトラリーのデザインにモダンでシャープなものが加わっています。カトラリーはほとんどが純度の高いスターリングシルバー製です。
フランスの高級磁器の産地として名高い、リモージュを本拠地とするフィリップ デズリエ。創業1825年、会社としての創立は1895年という老舗ブランドです。その製品で特徴的なのは、リモージュの伝統ともいえるフランス流のエレガンスを、現代風のモダンな感性と見事に融和させている点です。
近年ではファッション業界やインテリア業界など他分野の著名デザイナーと提携し、伝統に支えられた確かな技術力を駆使して、他には無い、新鮮なテーブルウェアを生み出しています。フランスはもとより、ヨーロッパの他の国々やアメリカでも好評を博しています。
現在リモージュで最大規模を誇るベルナルドが誕生したのは1863年。この地がフランスの高級磁器の中心として注目され始めた頃のことでした。洗練された美しさを持つ製品により、創業まもなくナポレオン3世の王室御用達の栄誉を得たベルナルドは、その後も数々の国際的な賞を受賞するなどフランス流エレガンスを伝える窯として愛されてきました。
現在も伝統を守りつつ新しいものを取り入れる姿勢をもち、世界の王室や一流ホテル、レストランなどでも愛用されています。
色や形のバリエーションの広さを特徴とするフランスの陶器ブランドがモラン。陶器の柔らかな素地を生かして作られるユニークなシェイプや、ぬくもりを感じさせる色合いは、日常のテーブルセッティングに豊かなアイディアを与えてくれます。特に色では、約150色を揃えており、同じデザインで幅の広いカラーリングが楽しめるものもあります。
モランがリヨン郊外のシャロルの町で誕生したのは1844年のこと。以来フランスの家庭ではもちろん、有名な三ツ星レストランでも愛用されています。また食器の他に陶器のインテリア用品も評価されています。
クリスタルのトップブランドの一つラリックは、もともと宝飾デザイナーだったルネ・ラリックによって1905年に設立されました。「ガラスの詩人」といわれた彼はアールデコ様式を代表する一人として、テーブルウェアのみならず、室内装飾や建築の分野など広範囲にわたり高い評価を獲得。
ラリックの特徴的な技法といえば、透明のクリスタルと乳白色のフロステッドクリスタルが奏でる調和。そしてモチーフに多く見られる動物や自然、女性像を通して、ラリックならではの優美で独創性あふれる世界が展開されています。
また芸術的なボトルの香水、人気のカボション型リングをはじめとするジュエリー、バッグなどのアイテムもファンが多く、伝統を守ると同時に、毎年約30点以上もの新作を発表し続ける情熱がいつの時代も人々を魅了してやみません。
レイノーは、フランスのリモージュの伝統を今に伝える磁器ブランドです。ナポレオン3世時代の1849年に誕生したレイノーは、リモージュの昔ながらの製法を守り、高品質な時期にこだわり続けてきた窯でした。当時リモージュにあった11の窯のうち、現在唯一残っている窯でもあり、その「量より質」のこだわりは、今も受け継がれています。
代表的な絵柄としては美しい色彩の花柄や、王朝趣味のもの、シノワズリ(中国趣味)やジャポネズリなどがありますが、中には長く人気を保つロングセラーも含まれています。
きわめてフランスらしい、エレガンスなデザインが多いことも大きな特徴で、古くから王室や公の席で使われてきたほか、今も数多くの著名なレストランで愛用されています。
18世紀のリモージュに誕生した、セーブルと並んでフランスで最も古い陶器製作所です。リモージュで発見された良質の陶土カオリンを用い、硬質陶器の製作に成功。国王ルイ16世の弟アルトワ伯爵の庇護のもと、王宮の御用達として発展します。
「汚れなく純粋」と形容される純白の磁肌と洗練されたデザインが魅力の同ブランド。現在は、200年以上の歴史に培われた技術を継承しつつ、先進的なデザインの開発にも意欲的に取り組んでいます。また、ルーブル美術館やヴェルサイユ宮殿の歴史的作品の修復でも有名です。
長年にわたるドイツのガラス作りの技術を受け継ぐテレジアンタールは、1421年バイエルン地方で誕生しました。ここはガラス工芸に欠かせない樹木に恵まれ、美しい技法や名品を作りだしたことで知られています。
バイエルン王ルートヴィッヒⅠ世の妃、テレジアの名にちなんだこのブランドの特徴は、まるでレースのような繊細さをみせるグラビールや、クラフトマンの高度な技が光るエナメルペインティング。その伝統と格式の高さこそが、各国王室で愛された所以といえます。
ドレスデンクリスタルの発祥の地は旧神聖ローマ帝国のザクセン領、現在のドイツの東に位置します。14~15世紀からガラスが製造され始めましたが、ドレスデンの名が広く知られるようになったのは、17世紀末芸術を擁護する領主を迎えたことにあります。このような経緯を経て、18世紀にザクセンのクリスタルガラスが完成。
そのころの特色であった熟練の技術を要する切小細工、その後のロココ風装飾や色褪せクリスタルは、今も変わることなく輝きを放っています。グラスのみならず豊富なアイテムが揃い、その高貴な輝きと重厚感はさまざまなシーンに彩りをそえます。
「普段着の陶磁器」として愛されている同ブランドが誕生したのは1748年。当初は家族経営でひっそりと営まれていましたが、のちにルクセンブルクに移り、当時権力を誇っていたハプスブルク家の女帝、マリア・テレジアの強力な後押しを得たことで、1767年以降は王家の御用達として発展してきました。
当時、ヨーロッパの王侯貴族たちが愛した陶磁器は、優美な芸術性を重んじたものが主流でしたが、ビレロイ&ボッホの作風は一貫して実用性を重視。そんな所がマリア・テレジアほか権力者が一目置いた所以であり、以来ビレロイ&ボッホは、産業としての窯業においてドイツでは中心的な役割を担ってきました。
その結果、現在ではヨーロッパ最大のテーブルウェアメーカーとなり、世界の食卓を楽しませる存在となっています。その製品は、生活にくつろぎと安らぎを与えるデザインが多く、現在では電子レンジや食器洗い機に対応できるものがほとんど。各国のホテル&レストランでも広く愛用されています。
創業者カルル・マグヌス・フッツェンロイターは1814年、バイエルのシュタインベルクに良質の陶土を発見し、陶器を作る窯を開く許可を申請しましたが、時のバイエルン王は長い間王位以外の窯を認めませんでした。やがて1822年、熱意に打たれた王は優れた製品を作ることを条件に、ようやく開窯を許可したとのこと。
そんな経緯を重んじ、フッチェンロイターはドイツを代表する磁器の老舗となった今も、伝統、高品質そして革新的な創造を基本姿勢としており、そのモダンで美しい磁器は世界の食卓で愛されています。
ポーランド国王でザクセンの選帝侯であったアウグスト王が、東洋に匹敵するような白磁を作ることを夢見て、錬金術師のペトガーをマイセンのアルブレヒッツ城に幽閉し、磁器の研究に没頭させます。やがて領内で白い肌に欠かせない「カオリン」といいう成文を含む陶土が発見されたことから、1709年、ついにベトガーはヨーロッパ初の磁器を完成させます。
そして翌1710年、場内に製磁工場が創立されました。これが現在も高い芸術性と品質を誇り、ヨーロッパ磁器の最高峰といわれるブランド、マイセンの誕生です。マイセンの磁器は今もザクセン公の紋章である2本の剣をトレードマークとしています。
現在のマイセンは西洋の陶磁器界をリードしてきたことに誇りを持ち、これまでに発表されたデザインのすべてが保管され、何代前のものでも原形と同じように製作されています。また最高レベルのアーティストによる新しい感覚の作品も随時生み出され、好評を博しています。
マイセンクリスタルは、マイセン磁器とアンサンブルで使用できる、高品質なクリスタルグラスを製作しているブランドです。ドレスデン クリスタルと同じく、ドイツの森林地帯ヴァイズバッサーに位置し、磁器のマイセンとの緊密な技術協力によって美しい製品を生み出しています。
クリスタルの透明部分と半透明(すりガラス)部分を使い分け、グラビールによって表現されるパターンは、「ブルー・オニオン」や「アラビアンナイト」といったマイセン磁器の有名な絵柄。古典、現代を問わず多くの芸術的パターンがあしらわれており、世界のマイセンファンやクリスタルファンに注目されています。
陶磁器のバイヤーだったフィリップ・ローゼンタールが、1879年ドイツのバイエルンで開業したのがこのブランドです。当初は陶器の絵付け工場でしたが、良質の原材料の産地だったこともあり、1891年には白い磁器の生産を開始。以後時代性のある高品質な磁器メーカーとして発展してきました。
1961年には伝統的な製品のほかに、国際的芸術家を起用した「スタジオライン」と呼ばれる製品づくりをスタートさせます。インテリアや服飾など、多方面のデザイナーが作る斬新な磁器は、常に世界的な注目を浴びています。
アレッシィは、ステンレスツチール製品の老舗アレッシィ社のテーブルウェアブランドとして設立されました。その展開は、著名な建築家によるコレクションや調理器具、時計など多岐にわたり、確かな技術力とデザインクオリティの高さを表現していく最先端部門として評価されています。
数年後には陶磁器やグラスを扱うブランド、アレッシィ テンデンツェも誕生。ステンレス製品のみならず、時代を象徴する製品作りで総合的な魅力を増しています。
ジュネーヴ生まれの女性陶芸家「クリスチャン・ペロション」のオリジナルブランド。彼女は自分の作品にフィレンツェ地方の土を用い、釉薬(ゆうやく)の原料に自然の火山灰や土、灰を使うなど、独自のスタイルで創作に取り組んでいます。作品はシンプルでバランスのとれた形と、独自の釉薬による表情が特徴。
ろくろを使った作品が多く、一部型抜きの技法を用いた作品は、東洋の陶器の影響を受けて作られています。現在、トスカーナのチャペルを改造したアトリエで、この地方の古代バロックルネッサンスの芸術と美しい風景に刺激を受けながら、創作活動を続けています。
至りを代表するトップジュエラーであるとともに、銀細工師としても卓越した技術と感性を発揮しているジャンマリア・ブチェラッティ。彼の作るカトラリーには宝飾品同様、イタリアルネッサンスの美の伝統が受け継がれています。
スターリングシルバーに施される彫り細工は、「飽食の魔術師」と呼ばれる彼らしい、繊細かつ優雅な作風。テーブルを気品高く彩る逸品ぞろいのブランドです。日本ではカトラリーのほかにもジュエリー、人形や置物など、銀の味わいを生かした芸術的価値の高い作品なども数多く紹介されています。
あふれる独創性とモダニズムが魅力のブランド、タイツー。デザイナーであるエミリオ・ベルガミンによる、いかにもイタリアらしい色づかいとデザインが、クリエイティブなテーブルセッティングを可能にします。使う人の感性で自由自在にコーディネートでき、発表以来、数多くのファンを魅了しています。
美しい田園風景と豊かな食文化で知られるイタリアのトスカーナ州。1983年、「白い食器」を意味する新しいブランド、ラ・ポルチェラーナ・ビアンカが誕生しました。人と自然が調和したヨーロッパのカントリー・スタイルをコンセプトにした、テーブルウェアとキッチンウェアを扱う洋食器の総合ブランドです。
白磁やガラス、鍋、カトラリーなど約3000種類のアイテムを展開。テイストはフレンチカントリーと伝統的なイタリアン・カントリー、シンプルで可愛らしさを感じさせるデザインです。機能的でサイズが豊富であること、料理のスタイルを選ばないこと、そしてリーズナブルな価格設定で、普段使いやギフトにも最適です。
イタリアを代表するテーブルウェアといえばリチャード・ジノリ。その歴史は1735年、カルロ・ジノリ侯爵が自領ドッチァに作ったイタリア初の磁器窯に始まります。やがて優れた職人たちにより、多色のバラや花束模様の絵柄や、神話をテーマにした浮き彫りの作品などが生まれます。
18世紀後半になると、さらに肌の白い磁器を開発し、各国の君主や名家のための食器や置物を製作。19世紀の半ばには他のヨーロッパの名窯と並ぶ高い評価を得るほどに発展しましたが、1896年、ミラノのリチャード社と合併してリチャード・ジノリが誕生しました。以降は伝統的な作風に加え、時代の変化に伴う新しい作風が開発されます。
現在も最先端の芸術家を参加させており、伝統を守りつつ新感覚の作品を数多く生み出しています。
北欧のパリと呼ばれる都、コペンハーゲン。ジョージ ジェンセンはこの地を本拠地とするシルバーウェアの名門です。ブランド創設者であるジェンセンは、「日用品の美化」を創業当初からの目的とし、豪華で芸術的な銀器ではなく、毎日使い食器としての美しさを追求。彼はそれまでの伝統様式や技術にこだわらず、斬新な技法を生み出しては次々と作品を発表しました。
なかでも特徴的なのがカトラリーによく見られる、浮き彫りの細工を際立たせるいぶしの技法です。溝になる部分が黒く残るこの技法を駆使することで、シンプルなデザインにも立体的なイメージが加わります。また草花や木の実など、身近なものをモチーフに多用する発想も当時としては独創的でした。
手作りの温かみを残す作風は、機能性と芸術性を備えた食器として高い評価を得、20世紀の銀細工の世界に新たな道を開きました。その精神は現在も着実に受け継がれています。
イギリス陶磁器界の至宝ともいわれるこのブランドは1748年、アンドリュー・プランシェによってダービシャーに創立されました。1755年には国王ジョージ3世より「クラウン」の名を受け、製品のバックスタンプに王冠のマークを使用することを許され、1890年にはビクトリア女王より「ロイヤル」の名を冠されて現在の栄誉あるブランド名となりました。
その名声は創業まもないころから全ヨーロッパに響き、またのちには日本の伊万里焼の様式を取り入れるなど革新的なデザインでも注目。現在も気品あふれる製品が世界で高く評価されています。
1762年、スウェーデン南東部の川のほとりに鉄工所が設立され、工場はオレフォスと名付けられました。19世紀末、鉄の生産は衰退し、林業が重要な産業となり、材木の切れ端や労働者の有効活用のため1898年にガラス工場としてオレフォスが誕生。設立当初は、ランプシェードや薬ビンなどを生産していましたが、1916年以降、優れた才能を持つ画家やデザイナーを招いたことで、彼らの影響は技術の向上とともに芸術性の高い工芸品を生み出します。
1925年、パリの万国博覧会で国際的な評価を得たオレフォスの名は、確かなものになりました。現在のオレフォスでも、志を継ぐデザイナーたち9名が洗練された素晴らしい作品を作り続けています。
コスタボダは、まず1742年にスウェーデン王「カール12世」配下の将軍が、コスタガラス工場を開いたことに始まります。ここではグラスをはじめとしてシャンデリア、鏡用ガラスなどを生産していました。一方ボダ社は、1864年にコスタ社の2人の職人により設立されたもので、1965年にこの2社が合併して誕生したのがコスタボダ社というわけです。
今なお18世紀と同じ技法で作られ、各デザイナーの個性あふれる独創的なデザインは、グラスアートとして高い評価を受けています。
ロールストランドは古い伝統を誇る北欧、スウェーデンの陶磁器ブランドです。その歴史は1726年、スウェーデン統治者であったフレデリック1世の王室御用達の窯としてスタートしました。
当初はストックホルムの町、ロールストランドに位置し、国の経済発展政策の一環として発展しましたが、やがて時代とともに規模が拡大したため、1936年にはストックホルム南西のリドケビングに移転。それ以降は、近代的な需要にかなう陶磁器ブランドとして成長してきました。
このブランドの製品には上品でやさしいデザインが多く、近年は日本でもその名を広めつつあります。
北欧最大の窯であるアラビアは、1873年にヘルシンキ郊外の別荘地アラビアに、スウェーデンのロールストランド製陶社の子会社として創設されました。1年の大半を雪に閉ざされる北欧では、生活の知恵として優れた工芸が数多く生まれてきました。また、日々の生活は家庭で過ごす時間のウエイトが大きく、家庭用品、とくに器については強い関心が払われてきたのです。土の匂いのする素朴さと、丸みのあるあたたかさを感じるアラビアの食器は、こうした生活の中から誕生しました。
第2次世界大戦後、めざましい発展を遂げたアラビアは、工芸的にも優れた、伝統的に縛られないいきいきと斬新な製品を発表。そのデザインに取り組む多くのアーティストをバックアップしています。「食器は実用的でなければならない、狭い収納場所では積み重ねばならず、何よりも丈夫なものでなければならない」。このデザインポリシーのもと、アラビアは芸術性と実用性を備えた高品質な陶器を生み出しています。
1881年、「森と湖の国」フィンランドで設立されたイッタラ。100年余りの歴史の中で、一貫して最も純粋な輝きを持つガラス器を製作するというポリシーを守り続けているブランドです。イッタラのガラスは、優れたデザインと熟練したクラフトマン技術で高い評価を受け、ニューヨーク近代美術館の永久保存品(パーマネントコレクション)にも多数選定されています。
また、ここで作られている北欧の清水を思わせるような輝きと透明感を持つグラスは、いっさい鉛を使わないレードフリーで、自然を愛する世界中の人々に支持されています。1988年には、フィンランド最古のガラス工場として200年の歴史を誇るヌータヤルビと合併。同社の精通したクラフトマンシップと機能的なデザインは、合併後もイッタラの中に息づいています。
チェコ共和国のカルロヴィ・ヴァリ地域のデュビ工場を本拠地とするこのブランドでは、鮮やかなコバルト色を特徴とするブルー・オニオン柄の陶器を伝統的に製作しています。
ブルー・オニオン柄は古くから西洋の人々に愛されてきた、いわば陶磁器の定番的なパターン。もともとは16世紀に中国から渡った磁器を模したもので、中国のものはザクロ模様だったのが西洋でタマネギと解釈され、この名で広まったといわれています。デュビ工場では現在400に及ぶアイテムを生産しており、世界中で愛用されています。
ボヘミアガラスとは、チェコのボヘミア地方で古くから作られているガラス工芸を指す。この地方は森林が多くあり、ガラスの原料が豊富なことから、16世紀後半にはそれまで大きな影響を受けていたベネチアンガラスの技術と、ボヘミア独自の装飾様式を合わせたボヘミアスタイルを確立。17世紀後半になると、ブナの木の灰を原料にしたカリガラスを生み出し、ボヘミアガラスの名を世界中に知らしめました。
透明度の高い最高級のクリスタルを意味する「レッド・クリスタルガラス」として輝きを誇り、また彩色や金の焼き付きがゴージャスなカリガラス、グレイズ(上塗り)技法が特徴的なエーゲルマン・ガラスなども有名。
貴族たちが集まるヨーロッパ有数の温泉保養地、カルロヴィ・ヴァリに集まっていた数多くの彫刻家の中に、モーゼルガラス工場を創設したルードウィック・モーゼルがいました。
1857年に独立した彼はすぐれた作品作りのために努力を惜しまず、飛躍的な発展を遂げます。様々な彫刻やカッティングの技術をあみだし、各万国博覧会で大きな評価を獲得。伝統を守りつつも、常に新しいことを試みる精神こそが今日のモーゼルを築いたのです。
このブランドを代表する技法のひとつとして挙げられるのがエングレービング。その優雅で洗練を極めたデザインは芸術作品としての価値を備え、多くの人々に愛されています。
華麗なロココ調やシノワズリ(中国趣味)、ジャポネズリ(日本趣味)など、手書きの美しい絵付けで知られる西洋磁器の老舗、ヘレンドは1826年に中欧のハンガリーで生まれました。創業当時のハンガリーは「貴族の中の貴族」といわれたオーストラリアのハプスブルク家の統治下にあったため、ヘレンドは長い間ウィーンの宮廷サロンで技法を磨き、時の皇帝フランツ・ヨゼフにことのほか目をかけられたといいます。
やがて1851年ロンドンで開かれた第一回万博博覧会への出品により、美しい陶磁器に目のなかった英国のビクトリア女王を魅了。これを機にヘレンドは世界各国で名声を高め、以後各地の万博で次々に賞を受賞して一躍名を馳せました。19世紀来の豊かなレパートリーと、手描きならではの繊細さは、現在も広く愛されています。
アウガルテンは1718年、ヨーロッパで2番目の磁器工房「ウィーン磁器工房」でとして設立された歴史あるブランドです。1709年にドイツのマイセンで極秘に成功した白磁の製法をウィーン宮殿からの駐在武官であったドゥ・パキエが持ち帰り、ウィーンでの製造を実現しました。
ローマ皇帝カール6世やオーストラリア君主マリア・テレジアの保護を受け、アウガルテンはオーストラリアの歴史とともに大きく発展していきます。第2次世界大戦後、スペイン乗馬学校をテーマにした作品などで世界的に知られるブランドとなったアウガルテン。今後は伝統と技術を守りつつ、ファッション市場などの新分野への参入も計画されています。
オーストリアのトラウンゼー湖畔に広がるグムンデンは、17世紀からの歴史を誇る由緒ある陶業地。この地に1903年、グムンドナーが設立されました。
グムンドナー陶器は、伝統的な手描きの手法を用い、すべての工程を手作業で行っています。現在も代表的な製品となっている、大胆な緑の手描き模様が魅力のグリュンゲフラムト(緑の炎)はとくに有名で、創業当時はこのデザインの水差しのみを製造していました。
その後、19世紀初頭にはオーストリー・ハンガリー帝国において高い評判を得ることとなり、製品の種類もテーブルウェアへと広がっていきました。今も変わることのない、田園調の可憐で楽しい雰囲気と、陶器のあたたかさが、世界中で愛されています。
リーデルの歴史は17世紀に始まります。1756年に初のガラス工場をボヘミア地方に設立。しかし第二次世界大戦のため200年にわたるガラス製造に終止符を打ちます。
その後、名門リーデル家の9代目、クラウス・ヨゼフ・リーデルは1956年オーストリアで再出発を果たし、グラスの形とワインの調和について研究を重ねた彼は、1958年ついに「ソムリエ」シリーズを完成。そのグラスはニューヨーク近代美術館の永久展示品となっています。
世界各国の王室で愛用され、多くの国際的デザイン賞を受賞。グラスの美しさ、形のもつ意味、実用性を追求しています。
ヨーロッパ貴族の社交の場であり、ハプスブルク家が君臨していたウィーンにおいて、1823年に照明とグラスのメーカーとして創立されたロブマイヤー。王室や貴族たちに愛されたこのブランド、1925年にパリで開かれた万国博覧会でグランプリを獲得したのもうなずけます。
バロック、ロココなど各時代を代表する伝統的な模様を現代に伝え、特にエングレービングの手法による繊細さはロブマイヤーならでは。手間を惜しまないクラフトマンシップが息づいています。またロブマイヤーのシャンデリアはウィーン王宮をはじめ、多くの有名建築に飾られています。
ロイヤルデルフトはアムステルダムから汽車で1時間ほどの美しい街を産地とする歴史的陶器「デルフト焼」の代表的ブランド。16世紀後半、オランダの陶工たちはスペインやイタリアで作られていた「マジョルカ焼」から技法やスタイルを学びまあしたが、1602年にオランダが東インド会社を設立し、中国や日本の磁器を輸入し始めると、これを真似た独自の陶器を開発して、一躍世界的な注目を集めます。これが「デルフト焼」の誕生であり、当時はデルフトの地に30を超えるメーカーが揃いました。
このうちのひとつで、1653年に設立されたポースレン・フロス社は、18世紀以降デルフト焼が下火になった後も生き残り、19世紀には「デルフト・ブルー」という芸術的なブルーの絵付けにより独自の発展を遂げました。
そして同社は唯一、オランダ王室より許されれ「ロイヤルデルフト」をブランド名として名乗るようになったのです。
1783年、フィンランドのウォーターフォード市にイギリスから著名なクリスタル職人の「ジョン・ヒル」を招いて創業したのがウォーターフォードです。洗練された美しさのジョン・ヒルのクリスタルの噂はたちまち広がり、イギリス国王ジョージ3世から特別注文を受けます。この出来事がきっかけとなり、ウォーターフォードの名声は世界的なものになりました。
18世紀、貴族達のテーブルを彩ったハンドメイドの輝きは、現在も同じ技術で製造されています。
デザイナーとして知られるラルフ・ローレンは、1939年にニューヨークのブロンクスで生まれました。アメリカントラッドで知られるブルックス・ブラザーズを経て1968年にメンズウェアのブランド、ポロ・ラルフローレンを設立。創業以来”ファッション、即ち流行ではなくスタイルを提案する”というポリシーのもと、あくまでもスタイルの表現と提案にこだわった事業展開を続けてきました。
1990年、ラルフローレン テーブルトップコレクション(食器ライン)を発表。暮らしの中心である食の表現にも、あのラルフローレンのテイストが取り入れられ、クリスタル、陶器、テーブルリネンなどとして提案されています。
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