参考書クラスの永久保存版!
香水にまつわるエトセトラについて、基礎から徹底解説。
香水っていいな、つけてみたいな、そう思った人は是非見てみてください。
大丸東京店・加藤香奈恵さん「パルファム ソムリエール」
※ボリュームのある記事なので目次がおすすめです。
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①基礎知識
②購入編
■香りのTPOとマナー(レストラン・喪のマナー・浴衣や着物のとき)
■ア行
■カ行
■サ行
■タ行
■ナ行
■ハ行
■マ行
■ヤ行
■ラ行
■ワ行
香水とは花や植物、そして動物から採取された香料をアルコールに溶かし、さらに蒸留水で割ったもの。香料の濃度(これを賦香率〔ふこうりつ〕という)によって、四種類に分類されています(香水の種類で詳しく解説)。
賦香率の高いパルファンは奥行きと深みのある香りが特徴で、5~7時間と最も持続時間が長い。一方、賦香率が最も低いオーデコロンは主に付ける人自身のリフレッシュ効果をもたらすような軽やかで爽やかな香り。1~2時間と持続時間も短いため、シャワーのあとに浴びるようにつけるのに最適です。オーデパルファン、オーデトワレはいずれもその中間に位置しています。
賦香率は各ブランドにより多少異なるので、フレグランス初心者はまずはオーデトワレやオーデコロンからスタートして、徐々に濃い濃度のタイプを試すのがおすすめ。
一般的に女性用香水には品名は表示されていても、女性用とは銘打っていないことが多いです。これに対して男性用は、品名に“ForMen”“PourHomme”などと表示されていますことが多いのが特徴。
ただし元々紳士用品などから発展してきたメンズブランドの場合は、逆に女性用香水の方にだけ“ForWoman”などと表示されています。
イギリス:For Woman(フォーウーマン)・For Her(フォーハー)
フランス:Pour Femme(プールフェム)・Pour Elle(プールエル)
イタリア:Per Donna(ペルドンナ)・Per Lei(ペルレイ)
●男性用の表示例
イギリス:For Men(フォーメン)・For Him(フォーヒム)
フランス:Pour Homme(プールオム)・Homme(オム)
イタリア:Per Uomo(ペルウオモ)・Per Lui(ペルルイ)
香水は、香りの賦香率(濃度)によって呼び方が変わってきます。この賦香率によって持続時間が変わりますので、上手に香らせるには、種類を知っておくことも大切です。
■パルファン
香水の王様とでもいうべき存在で、その奥行きと深みのある香りはパルファンならでは。長時間持続するのも魅力。華やかなパーティシーンなどに向くが、つけすぎないように注意。
■オーデパルファン
パルファンに近い濃度と深い香りを保ちつつ、値ごろ感のある価格で販売されています。種類も多く、濃度もパルファンより低いため、湿度の高い日本などでは使いやすい。
■オーデトワレ
香り立ちがソフトで嫌味もないため、普段使いやカジュアルな場面に。持続時間も3~4時間なので、昼と夜で香りを変えたいときにも安心して使える。
■オーデコロン
香りは弱いが爽快感やリフレッシュ効果が高いため、シャワーやスポーツの後に身にまとうように付けるのがおすすめ。また目覚めにたっぷりと付けてからシャワーを浴びるのも。
実は香水には、上の表に載せた以外にも練り香水、パフュームオイルがあります。練り香水はミツロウやホホバオイルなどに香料を混ぜて作ったもので、缶や陶器に入っているため、コンパクトで持ち運びにも便利。
パフュームオイルはオイルに香料を混ぜたもので、オイル・香料ともに肌に優しいものを使用。どちらも香水より香り立ちが優しいため、上品に香らせることができます。
香水をスプレーしたときの香り=その香水の香り、ではありません。香水はつけてから香りがなくなるまでの間に、時間の経過に伴って3種類の表情を見せます。これはブレンドされた香料それぞれの性質によって現れるタイミングが違うため。
■トップノート
つけた瞬間から香る「トップノート」はアルコールと共に、柑橘系など揮発性の高い香料が香り、清涼感と刺激的な香りが特徴。
■ミドルノート
つけてから30分~2時間たったときの「ミドルノート(もしくはハートノート)」はフローラルを中心に、ブレンドされています香りが全てバランスよく表れ、本来の表情を楽しめます。
■ラスト
そして2時間後以降、香りがなくなるまでの「ラストノート(もしくはベースノート)」は遅めに香りが立ち上がってくるウッドやバニラ、そしてアンバーやムスクなど動物性の香りなどで、その人の体臭と混ざり合い、残り香として余韻をもたらす。
これら3つがそれぞれに最も香る時間をまとめたものは、「香りのピラミッド」(上図)と呼ばれています。また最近では、最初から最後まで単一の香り立ちの香水もあり、それはワンノートと呼ばれています。
香水の原料として使われる香料は大きく分けて、天然香料と合成香料に分類されます。
天然香料は花や果実、種子ゃ木を原料に香りの成分を抽出した植物性と、動物から取れる動物性とに分けられる(近年、動物保護の観点から、動物性の香料はほとんどが合成香料へと移行しています)。植物性・動物性を問わず、天然香料は高価で取引されています。
合成香料も2種類に分けられ、製造方法により、天然香料から必要な成分だけを取り出す単離香料と、化学工業技術によって合成される合成香料に分類されます。香りには化学合成でしか製造できないものもあります。
【天然香料】
動物性
動物の生殖腺分泌液から採取される香り。ジャコウジカのムスク、ジャコウネコのシベット、マッコウクジラのアンバーグリス、ビーバーのカストリウムの4種類。非常に高価。
植物性
花や果実、種子、木などから抽出した香料。手間と時間がかかり、貴重かつ高価。抽出方法には溶材抽出法や圧搾法、水蒸気蒸留法などがあります。
【合成香料】
単離香料
天然成分から必要な成分だけを抽出する(=単離する)ことで作られる香料。ハッカ油から単離精製したメントールが代表的。
合成香料
天然香料を科学的に分析し、同じ化学式となるように合成したもの。ミュゲノート(スズラン、ライラック、スミレ)は抽出が難しく、合成香料が用いられる。
フローラル系
ローズ、ジャスミン、ラベンダー、スズラン、マグノノーフルボリア、スミレ、ネロリ、ライラック、フリージアなど
シトラス系
ベルガモット、レモン、オレンジ、マンダリン、ライム、グレープフルーツ、ゆずなど
オリエンタル系
サンダルウッド、ムスク、アンバー、パチュリ、オリエンタルベチバーなど
スパイシー系
ペッパー、シナモン、ナツメグ、クローブ、レザーなど
フルーツ系
ピーチ、マンゴー、パッションフルーツ、ラズベリー、ストロベリーなど
グルマン系
バニラ、アーモンド、チョコレート、モカ、キャラメルなど
シプレ系
オークモス、ベルガモット、ベチバー、シダなど
ハーブ&グリーン系
ハーブ&セージ、ユーカリ、ミント、ゼラニウム、カモミグリーン系ール、ラベンダー、ローズマリーなど
マリン&オゾン系
ウォーターフルーツ、ミント、フレッシュペッパー、ジンジャーなど
ウッディ系
サンダルウッド、ヒノキ、シダーウッド、パチュリ、ベチバー、アイビーリーフなど
ティー系
紅茶、緑茶、ジャスミンティーなど
初めて香りを購入することにしたら、どんなときに使うのかをまず考えましょう。仕事の日に使うのか、休日に使うものなのか。デイタイムかナイトタイムか。ある程度、使うシーンを考えた上でショップへ向かうことがおすすめです。
また何本目かの香りを求めるのならば、今持っている香水はどんな香りか、新しい香りでどんな風に自分を演出したいのかを自分なりに整理をしてから。場合によっては、合わせたいと考えている服装で行くのもいいでしょう。プレゼントならば、どんな人なのか、どんなシーンで使って欲しいのかも考えておきたいところ。
香りというものは「これは○×さんの香り」というように、つけた本人以上に周囲の人間の記憶に残る、自分をより演出できるアイテム。ショップスタッフに徹底的に相談して、自分に似合う1本を選びたいですね。
●体調や気分によって香りの評価も変わるので、調子の良いときに出かける。
●女性の場合、香りの感じ方にはホルモンの分泌状態が大きく影響するため、生理中や妊娠中は避ける。
●利用シーンを事前に考えておく。使うのは、仕事の日かオフの日か。昼か夜か。今まで持っているのはどんな香水か。その中でどれを気に入っているか、確認する。
●次に欲しいのはフローラル系かシトラス系など、ある程度系統を絞り込めれば、ベター。
●好きな香りや希望を、アドバイザーに告げる。
●アドバイザーが2~3点、出してくれたら、テイスティングのスタート。ムエット(細長い紙)にスプレーする。
●数回振ってアルコールを飛ばしてから、嗅いでみる(このときがトップノート)。
●気になる香りを、実際に自分の肌で試してみる。
●手首など体温の高い部分に、30cmくらい放してスプレーし、少し経ってから確かめる。
●できるなら一度売り場を離れて、香りが落ち着いたら(ミドルノート)、その香りとの相性を確かめる。
同じ香水を使っても、つける人によって香り方は違うもの。肌表面のph濃度(酸性~アルカリ性)や皮脂分泌量の違い、体温や気候によっても香りは微妙に異なります。同じフローラルでも皮脂量の多い男性がつけると女性より甘く香るといわれています。
香りを選ぶときは、ムエットにつけて試すだけでなく、必ず自分の肌にのせてテイスティングしてみることが大切。くれぐれも人がつけている香水が気に入ったからといって、ショップで試さずに購入するのは控えて。
汗は香りの大敵なので、香水をつける前には体を清潔にしておきましょう。
欧米人などに比べ、体臭が少ないと言われている日本人であっても、香りを十分に楽しむためには、事前にシャワーを浴びることが大切。せっかくの香りが不快な匂いに変化しないようにしておきたいですね。
匂いを抑えるデオドラント剤は汗をかきやすい部分につけるもの。香水とは目的も使用方法も違うものだから、使用するときには香水と混じってしまわないように、無香料のものを選びましょう。
香水本来の香りが楽しめるようになるのは、つけてから30分以降のミドルノート。つけてすぐはトップノートが強く香りすぎてしまうので、時間を上手に調整しましょう。
シャワーを浴びた後、洋服を着る前に肌につけておくと、出かけるまでにちょうど良い香り立ちとなります。すぐに人に会うときや通勤電車に乗る場合などは、逆算してつけた方が、マナーの面から考えてもベター。
体温の高いところにつけるとそれだけ揮発が促進されるので香りが立ちやすくなります。また下から上へと広がる香りの特性を上手に活かすように、つける部位を決めること。
基本的には手首やひじの内側、ひざの裏側など脈をうつところや腰につけるようにしましょう。
逆に両耳と胸の中心を結んだゾーンは強く香りすぎたり、自分が香りに酔ってしまうためNG。足の裏や脇の下などの部位も、汗で香りが変化し、不快な香りになるのでやめておきましょう。またこれら以外の箇所で直射日光が当たる部分にはつけるのを控えて。
つける量は上半身なら1~2プッシュ。下半身の場合は5~7ヵ所が目安。いずれもこするのではなく、とんとんと叩くようにつけるのがポイント。
肩
香水の相性を知る上でGOOD。鼻との距離も適当なため、ほどよくまろやかに香る。肩が出る服装のときは控えめに。
腰
ウエストや腰をベースに他の部位と組み合わせてつけるとバランスが良い。初めての香水のお試しポイントに最適。
手首の内側
つける場合は内側に。手を動かすたびほのかに香りますが、直接手首につけると強くなる場合もあるので、空中に1プッシュした香水の中をくぐらせましょう。
ひざの裏側
しっかりつけても強くなりすぎないため、おすすめ。下から立ち上る香水の特性に合っており、全身が包まれるように香る。
ひじの内側
汗腺が少なく脈打つ部位なのでつけやすく香りも立ちやすい。ただし皮膚も弱い部位なので注意が必要です。
足首
あやまって多めにつけても靴下や靴で隠れるのでちょうどよい香りになる。動くたびに香るので上品な印象に。
胸
つける場合はごく少量を1カ所に。広い範囲につけると自分の鼻を刺激して、香りに酔ってしまうことも。
わきの下
汗腺が多いため、汗で香りの成分が流れてしまうのでNG。汗は香水の大敵。
足の裏
わきの下と同じく、香水をつけるには不向き。足や靴の匂いと混じってしまう。
※雑誌 ELLE「フレグランス(香水)アンケート結果」より
雑誌ELLEの読者400人アンケート結果では、香水を手首・首筋につける、という人が圧倒的大多数でした。
また、香水は毎日つけるという人は40%以上にものぼり、持っている数は2~3個の人が多いようです。
香水のつけすぎは禁物! 香水をつけすぎてしまったときは、エタノールか無水アルコールをコットンに含ませて拭くという方法で応急処置を。これはウェットティッシュでも代用できます。
ただし、香りは水だけでは消えないので、やはりシャワーを浴びなおすのがベスト。あくまでつけすぎには気をつけましょう。
人の多い場所や朝の通勤ラッシュなどでは香水の使い方にも注意が必要。香りは顔周りや上半身で漂うと非常に気になるため、腰や下半身につけるようにしたいところ。
また、つけた直後はトップノートの香りが鼻を刺激してしまうため、出かける30分前くらいにはつけておき、ミドルノートになるよう調節してから出かけて。
イタリアンやフレンチなど、ハーブやスパイスを多く使う料理はそんなに神経質にならなくても大丈夫。
でも注意が必要なのは鮨や高級割烹料理など、繊細な味と香りを楽しむ場合のとき。同行者への配慮としてもなるべく控えた方がいいですが、どうしてもというなら食事の開始時刻がラストノートになるころを見計らって。
お葬式やお見舞いなどの場合は、つけていっても失礼にはあたらないかと迷うところ。でも香水は晴れの場だけのものではないため、マナー違反ではありません。ただあまりにも華やかな香りや広がる香りはチョイスしない方がベター。
香りが落ち着いたラストノートになってから出かけるようにすれば、それほど気にならない。
着物は袖や裾の動きが大きいので、そこから香らせるのが一番。また香水を染み込ませた匂い袋をそでに入れたり、帯に挟んだりなど、いろいろ楽しめます。背中の抜きが大きいことを利用して、肩甲骨の間につけても。
ただし着物は簡単に水洗いができないため、香水がつかないようにくれぐれも注意!
「タッチアップ」とは同じ香水(もしくは同じ香水の賦香率の違うもの)を付け足すこと。香りは時間とともに変化し、薄れていくもの。同じ香りをもっと長く楽しみたいなら、タッチアップと呼ばれる付け足しがおすすめ。
トップ、ミドル、ラストと変化する香りは、タッチアップのタイミングがポイントとなります。目安となる時間はパルファンなら5~7時間後、オーデパルファンなら5~6時間後、オーデトワレなら3~4時間後。
重ねるのは、同じものなら間違いないですが、同じ香水で賦香率の高いものをつけるのもまた素敵。まろやかで奥行きのある香りが楽しめます。
上級者ともなると、香水の本数も増えてくるもの。好きな香りをずっと守るために正しい保存方法を知っておきたいもの。
香水は、箱に入れたまま直射日光を避けて冷暗所で保存しましょう。最も適していますのは冷蔵庫内ですが、他のものに香りが移らないように密閉容器に入れるなどしたほうがベターです。
香水瓶は立てたままにするのもポイントです。クローゼットの中やチェストの引き出し、戸棚の中でもOK。香水の品質保持期限は封を切って使い始めてから1年程度といいますが、正しく保存できていればもう少し長持ちします。しかし香りや色が変わってしまった場合、肌につける時は十分に注意して。
香水はまとうだけではなく、他の方法でも楽しめます。
ムエットや紙にスプレーして、本のしおりとして使ったり、名刺入れや札入れに入れて香りを移す。手紙やカードにも吹きかけて相手に送れば、香りのメッセージにもなります。
ネイルを塗るときに、無香料もしくは香りの弱いマニュキュアを選び、香水を混ぜて使ってみる。また香水を指先にスプレーした後でマニュキュアを塗ってもいいです。手を動かす度にほどよい香りが漂ります。
残り少なくなった香水は、瓶の中にビーズを入れて香りを移し、そのビーズを布袋にいれれば匂い袋になります。またそのビーズで作った香るアクセサリーを身につけるというのもなかなかおしゃれ。
トイレットペーパーの芯の内側に1プッシュしておくと、ロールが回る度、芳香剤がなくても、どこからともなく華やかな香りが漂ります。
現在、使われている香料は体に優しいものをという配慮がされてきてはいますが、絶対とはいいきれません。敏感肌の人はまずは腕の内側で試してみて。2時間くらい後になってもかゆみや発疹がでなければつけてもOK。
またストッキングやスカートのすそに香りを移したり、香水をスプレーしたコットンをブラジャーの中に忍ばせるなどの方法で肌への刺激を配慮しながら、香りを楽しむこともできます。肌に優しい、練り香水やパフュームオイル、オーガニック香水、ベビー用香水を使うのもおすすめ。
香りを自在に操ることができれば、自分をよりイメージどおりに演出できるはず。前述した「香水のつける部位」を熟知すれば、そんな上級テクニックも夢ではありません。
例えば、腰や下着につければふんわりと残り香が漂い、そこはかとないセクシーさが演出できます。また手首やひじの内側につければ、やや強めに香るので、オフタイムや外出時にぴったり。その香りが清涼感のある香りならば、ぐっとさわやかな印象を与えることに。
またひざの裏につければ、座るときや立ち上がるときなど、動くたびにふわりとやさしく香りが漂い、エレガントさを演出するのにピッタリなはず。
香らせ方ひとつで、いろいろな印象が与えられる香水で、新たな魅力を振りまけます。
昼間はオーデトワレ、夜はパルファンという具合に、同じ品名の香水でも時間帯によって賦香率の違う香りを使いわけると、香りに対する認識も随分と変わるはず。これという香水が見つかったら、ぜひトライして。
またシトラス系、フローラル系、フルーティ系、シプレ系など系統の異なる香りを徐々にそろえていくと、その日の行動や行き先、会う相手との関係によって使いわけもできるようになり、その香りに包まれた自分に自信が持てるようになります。
ここまでくると「人からこう思われたい」以上に、「こう思われているはずだから、大丈夫」という自信がますますその人を輝かせる。香りの効用はこんなところにもあります。
「重ねづけ」とは異なる香りの香水を同時に使うこと。本来ならNGな行為ですが、成功すれば新たな香りの発見にもつながります。ただし「香害」になることもあるので注意。
失敗しないためには、日頃よく使う香水と相性が合う香水を、普段から見つけておくこと。最初の香水は、2度目に使う香水よりもソフトな香りを選ぶことも鉄則。最初の香りが強すぎると、香りのバランスを崩してしまう可能性が高いです。また最初の香水をつけてから5時間以上経ってからの方が失敗は少ないです。
今はユニセックス香水や同じ品名で“for men”“for women”の両方があるものなど、カップルで使える香りが多く販売されています。美しい2つの香りがほどよく混ざり合って、奏でるハーモニーは何とも魅力的。
カップルフレグランスを使うのは少し恥ずかしい…という人ならば、別々のブランドでも相性のいい香り同士になるよう、ショップスタッフに相談を。
気になる2つの香りをそれぞれムエットに吹きつけ、2枚を一緒に片手に持って両方の香りを一緒に味わってみましょう。それが街を歩く2人の香りとなる。2人の香りがあまりにもちぐはぐだったら恥ずかしいもの。ファッションだけでなく香りもバランスが大事です。
香水と、シャンプーやボディローションが違う香りだと、思わぬ重ねづけとなってしまい、逆効果になることも。
お気に入りの香水が見つかったら、シャンプーやシャワージェル、ボディローションなど、バス&ボディラインも同じ香りのものにしてみましょう。香りのトータルコーディネートができればかなりの香水上級者。さまざまなブランドから出されていますコフレのセットになっていることも多いので、要チェック。
香水初心者もそうでない人も「これってどういう意味?」と、戸惑う香水用語に出合ったら、すぐにチェック!
アコード
香りの調和、つりあい。香料がバランスよく混和されていますことを「アコードがよい」という。
アトマイザー
香水を携帯するために使う小さな容器のことで、香水瓶から自分で移しかえて使う。つけ足しや重ねづけ用として、外出するときに持ち歩きたい。
アルデヒド(アルデハイド)
強烈で鋭い香気を持つ、合成香料の1つ。フローラルにアルデヒドを混ぜることで、深みと広がりをもたらすことができます。1921年登場の「シャネルN°5」に世界で初めて大量のアルデヒドが調合され、以降、合成香料についての認識が変わったといわれています。
アロマコロジー
アロマとサイコロジー(心理学)からできた言葉。香りで嗅覚を刺激したときにおこる人間の心理に対する科学的な研究。
アロマテラピー
芳香療法のこと。香りによる生理的反応を治療に活かす方法。
アンバー
竜涎香(りゅうぜんこう)。動物性香料の原料の一種で、マッコウクジラの結石。クジラの死後も腐ることなく、海上に浮き、海辺にうちあげられる。灰色を帯びたアンバーグリスと呼ばれるものが良質。
ウッディ
ノート白檀やヒノキなどの木の香り。落ち着いた大人っぽい雰囲気が特徴。
オークモス
樫の木に生える苔。
EDC(オーデコロン)
Eau de Cologueの略。オーとはフランス語で水のこと。コロンとは、ドイツのケルン(Cologue)という街の名前。この町で香料を薄めて作られたケルン水という香りが売られたが、それが転用され、賦香率3~5%の香りをこう呼ぶようになった。オードコロンともいう。
EDT(オーデトワレ)
Eau de Toiletteの略。オーとはフランス語で水のこと。トワレは身だしなみの意味。賦香率5~10%位の軽やかな香りのものをこう呼ぶ。全身使いに向く。オードトワレともいう。
EDP(オーデパルファン)
Eau de Parfumの略。パルファンに蒸留水を加えて、濃度を下げたもの。パルファンより価格も手頃で使い勝手もよい。賦香率は10~15%程度。オードパルファンともいう。
オゾンノート
潮風の香りをイメージしたマリンノートや、小川など水を連想させるような透明感あふれる香り。
オリエンタルノート
東洋や中東などを思わせるエキゾチックで重厚な香り。
香りのオルガン
調香師が香水を創作する際に向かう、香料を置いておく机のこと。香料をずらりとならべた様子が、オルガンのように見えることから、この名がついた。
香りのピラミッド
時間とともに変化する香り立ちの様子を表した三角形の図。上からトップノート、ミドルノート、ラストノートに分類されます。調香のときは三角の頂点を目指すように、ラストノートを構成する材料からブレンドされます。
カストリウム
海狸(かいり)というビーバーの仲間の生殖腺にある分泌腺のうを乾燥させたもの。一頭につき一対しかとれない。動物性香料の1つ。
揮発性
香りの成分が発散する性質。
グリーンノート
草や若葉などのすがすがしい香り。
グルマンノート
バニラビーンズの香りやベリー類やピーチの香りのような、お菓子やデザートを思わせるニュアンスの香り。「グルマン」とはフランス語で「美食家」の意味。
コフレ
フランス語で「香水瓶」や「宝石や化粧品を入れる小さなケースやバッグ」という意味。香水に加え、同じ香りをもつシャワージェルやボディローションをセットにした商品のことを指す場合もあります。
サシェ
乾燥した花びらやその他の香りを入れた匂い袋のこと。
シトラスノート
柑橘系の果皮の香り。
シプレノート
柑橘系・モッシー・フローラをメインに調香した落ち着いた印象の香り。名調香師フランソワ・コティが生み出した「シープル」がその名のもとになった。
シベット
動物性の香料の1つ。麝香猫(ジャコウネコ)の肛門近くにある分泌腺からとれるペースト状のもの。
タッチアップ
香水の付け足しのこと。香水は時間の経過とともに香りが薄れていくので、長時間の外出などの際には、付け足すことで香りが長く楽しめます。
単離香料
天然香料から抽出、分離、冷却などの方法で取り出された香料のこと。
調香
何百もの香料をバランスよく混合して、持続性、芸術性に優れた香りを創りだすこと。
調香師
香りを作りあげる人。パフューマーともいう。
ティーノート
緑茶、紅茶、中国茶など、お茶の香り。ブルガリの「オ・パフメ」がティーノートの始まりといわれています。
テイスティング
香水選びの時に、香りを確かめること。最初はムエットで比較して、気に入ったものは実際に肌につけて確かめるのが正しい方法。
天然香料
自然界に存在する植物や動物から採れる香料。
動物性香料
動物から採れる香料。ムスク、シベット、アンバー、カストリウムの4種類。ただし最近は動物保護の観点から、動物性香料を用いる事はほとんどなく、合成香料で代用されます。
トップノート
香水をつけた瞬間から、5~10分ほどで、アルコールの揮発とともに消えていく香り。鮮烈で華やかな香りが多い。
ネ
フランス語で「鼻」という意味。一流の調香師にのみ与えられる最高の称号。世界に約250人しかいないともいわれています。
ノート
香りの調子やニュアンスのこと。もともとは音楽用語で「音符」の意味。いくつもの香料が集まって香りが作られることが転じて、香水の用語として使われるようになった。「~ノート」とは「~の印象を秘めた香り」のように使われる。
バス&ボディライン
香水と同じ香りで作られたシャワージェルやボディローションなどのこと。香水を買う前のお試し用にしたり、好きな香りに一日中包まれてリラックスしたい時などに使うのがおすすめ。
パフューマー
調香師のこと。さまざまな香料を調合し、香りを創る。
P(パルファン)
Parfumの略。フランス語で「香水」を意味する。香料をアルコールに溶かしこんだもの。広義で香水と呼ばれるものの中で、もっとも濃度が高い。賦香率でいうと15~25%。パルファムともいう。
賦香率
香水に含まれる香料の割合のこと。
フゼアノート
オークモスをベースに、フローラルとウッディの香りを加え、ラベンダーなどをスパイスとした香り。主に男性用に用いられる。
フルーティフローラル
フルーティノートとフローラルノートを合わせた、瑞々しく華やかな香り。トップはフルーツの香りとなることが多い。
フローラルブーケ
数種類の花の香りを1つにまとめた、ブーケ(花束)の香り。
フロリエンタル
フローラルノートとオリエンタルノートを合わせた、ロマンチックでフェミニンな香り。
ベース
香りの土台となる香料のこと。
ベビーフレグランス
乳幼児専用のフレグランス。低刺激に作られており、ほのかで控えめな香りが特徴。敏感肌の人にもおすすめ。
ミドルノート
トップノートとラストノートの間、つけてから約30分~約2時間と、最も長時間感じる香り。すべてがバランスよく香る。
ミニチュアボトル
5ml前後の小さなサイズの香水で、通常のボトルと同じデザインのものがほとんど。コンパクトサイズだから、つけ足し用に持ち歩くにも便利。またコレクション感覚でインテリアとして飾ってもかわいい。
ムエット
香りを試すときに使う紙のことで、一般的には細長い形状のものが多い。ショップで香水を吹き付けて持ち帰れば、香りの変化を知るのに便利。フランス語で「匂い紙」という意味。
ムスク
動物性香料の一種。中央アジアの山岳地帯に生息する、麝香鹿(ジャコウジカ)のオスの生殖腺から採れる。
モッシー
オークモスなどの苔のような香り。
ユニセックス
香水男性用、女性用の区別をせず、共用できる香水のこと。諸外国に比べて、日本で人気があります。
ラストノート
トップノート、ミドルノートと香り、最後に立ち上ってくる香りのこと。残り香と呼ばれ、大体、つけてから2時間後以降の香りのこと。
ワンノート
つけ始めから終わりまでずっと香りが変化しない香水のこと。
レディースMe 編集部
「雑誌掲載歴・専門家の高評価・話題性の高さ」のある、確かなブランドだけを掲載しています。
ランキングは、当サイト内で実施したアンケートを集計し再掲載したものです。
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「コットンに含ませて小皿におき、リビングやトイレ、洗面所などのルームフレグランス代わりにする」
「カーテンや網戸にスプレーして風が通る度にほどよく香る」
「玄関先に置いたアートフラワーに吹きかける」
「扇子にスプレーするとあおぐ度に芳香が漂う」
など、ちょっとしたことで香りのある生活に!
ただし、いずれの場合にもシミができないか、必ず最初に目立たないところで試してみてからにして下さい。